着物服のお洗濯とお手入れ方法 総合編
着物服のお洗濯とお手入れ方法
基本的に、水と石鹸を使ったお洗濯はできません。
なぜなら絹やウールの着物は家庭でのお洗濯を想定して作られていないのです。
がーん、ごめんなさい(涙)
例を挙げますと、
- ウールは水と石鹸を使ったお洗濯をすると縮みます。
- 絹は中には水につけて縮みにくいものもありますが、ほとんどのものが縮みます。
- 水につけると絹特有のしなやかさと光沢が落ちます。
- 水ジミができる場合もあります。
- 綿の浴衣地は水洗い可能ですが、製造工程上、色移りが出る場合がありますので注意が必要です。寝巻用の浴衣は別としても、街着として楽しむために作られた浴衣でさえも、Tシャツのように毎日洗うことは考えられていません。
通常着物を着るときは、さらしや肌襦袢、襦袢、裾除け、などを下につけてから着ています。これは防寒のためもあるでしょうが、肌に着物が触れることによる汚れを防ぐ工夫だったのだと思います。
ですからお洗濯の話をしていて、申し訳ないですが、着用の際に汗取り用の下着つけ、なるべく汚さないことが重要です。
お洗濯によるダメージもありますから、シーズンの終わりにプロのクリーニングに委頼されるのが長く楽しむコツです。
洋服でいえばコートやジャケットの感覚ですね。
綿 浴衣地:単品手洗い可能です。
- 服を中表にし、常温の水を使いおしゃれ着用中性洗剤でこすらず軽く押すように洗い、すすぎます。水にくぐらせるイメージで洗ってください。
- 30秒ほど脱水機にかけ、丁寧にしわを伸ばし形を整え日陰干しします。
- 日陰干したものが半乾き状態になったら、当て布をして中温でドライアイロンをかけ、しわをとります。
- ハンガーにかけ、風を通して湿気をとばしたら、お洗濯完了です。
※絞り生地の場合は脱水した後、形を整え置き干しして下さい。
ハンガーなどに掛けて干すと生地が伸びてしまうことがあります。
※ぬれた状態でこすると色移りしますのでご注意ください。
どうしても家庭でお洗濯をしたい方は、下の手順で単品手洗いしてください。
軽い脂汚れはベンジンを使って取ります。
- 服を中表にし、30度ほどのぬるま湯(熱湯、冷水厳禁)を使い絹用中性洗剤でこすらず軽く押すように洗い、すすぎます。水にくぐらせるイメージで洗ってください。
- 水から上げ、やさしく振りさばき、ハンガーにかけ、タオルで決してこすらず挟むように水分をとり、半乾きになるまで日陰干します。ぬれた状態でついたしわは乾くと、アイロンをかけても取るのが難しくなりますので丁寧に形を整えます。
- 半乾きになったら、あて布をして裏から中温のドライアイロンをかけて細かいしわを取ります。
- ハンガーにかけ、風を通して湿気をとばしたら、お洗濯完了です。
※やはりお洗濯回数は減らして頂くのがよいかと思います。絹特有のしなやかさと艶が失われる場合があります。
※ぬれた状態でこすると色移りしますのでご注意ください。
絹 糸に撚りをかけて織られたもの、シボのあるもの・・・・塩沢紬、お召縮緬、絞りなど:基本的に家庭でお洗濯しません。
家庭での洗濯はお勧めしません。縮みます。あるいは伸びます。クリーニングにお出し下さい。軽い脂汚れはベンジンを使って取ります。
絹 紬:基本的に家庭でお洗濯しません。
特有の艶が失われることがありますので、やはりプロのクリーニングに依頼するのが安心です。軽い脂汚れはベンジンを使って取ります。
ウール:基本的に家庭でお洗濯しません。
ドライクリーニングにお出し下さい軽い脂汚れはベンジンを使って取ります。当て布をしてスチームアイロンをかけると多少のしわや匂いは消えます。
ポリエステル…東レシルック 、洗える着物等:単品手洗い可能です。
中性洗剤を使って手洗いして下さい。市販のポリエエステル製品と同じ方法でお手入れ可能です。シーズンの終わりにドライクリーニングにお出しくだされば、長くお楽しみ頂けると思います。
ハンドメイドマーケット「creema」に出品しています。こちらもご覧下さいね。
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/466632
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